傷ついた電線
神経は電気ケーブルのように働いていて、その一本一本がミエリンという絶縁層で包まれています。MSではこの絶縁がダメージを受けます。信号は伝わろうとしますが、遅くなったり、散らばったり、弱まったりします。だからこそ、見た目は元気そうでも、脳が求める動作がうまくできないことがあるのです。
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多発性硬化症が日常生活や仕事の場面で何を意味するのかを、MSとともに生きる人を支える周りの方に向けて、わかりやすく穏やかにまとめたガイドです。
MSは神経系に影響を及ぼす病気です。免疫システムが誤って神経を守る保護層を傷つけてしまうため、脳と体のあいだの信号が遅れたり、乱れたり、まったく届かなくなったりすることがあります。
生涯つきあっていく病気で、人によってあらわれ方はさまざま。そしてその多くは外からは見えません。
MSは医学用語よりも、身近なイメージのほうが理解しやすいものです。
神経は電気ケーブルのように働いていて、その一本一本がミエリンという絶縁層で包まれています。MSではこの絶縁がダメージを受けます。信号は伝わろうとしますが、遅くなったり、散らばったり、弱まったりします。だからこそ、見た目は元気そうでも、脳が求める動作がうまくできないことがあるのです。
MSのある多くの人は、少ないエネルギーで一日を始め、ふつうの作業にもより多くの力を使います。シャワーや通勤、長い会議だけで、午後の分の蓄えを使い切ってしまうこともあります。これは怠けでも、やる気のなさでもありません。ただバッテリーが小さく、早く空になるだけなのです。
あなたに見えているもの(「まったく元気そう」に見える姿)は、ほんの一角にすぎません。水面の下には、疲労、痛み、しびれ、かすんだ視界、頭のもやがあります。これらは目に見えないため、軽く見られがちです。その存在を信じてあげることは、あなたにできる最も支えになることのひとつです。
MSはじっとしていません。症状は日によって、ときには時間ごとにも変わります。暑さやストレス、疲れがきっかけになることもあれば、はっきりした理由がないこともあります。調子のよい日があっても治ったわけではなく、つらい日があっても悪化しているとは限りません。それは天気であって、気候ではないのです。
症状の組み合わせは人によって違い、時間とともに変わっていきます。よくみられるものには次のようなものがあります。
疲労
休んでも必ずしも取れない、体が沈み込むような重い疲れ。
暑さへの敏感さ
暖かい気候や熱いシャワー、発熱で、一時的に症状が悪くなることがあります。
頭のもや
集中したり、言葉が出てきたり、物事を覚えたりするのが難しくなること。
動きとバランス
脱力やこわばり、ふらつきが、あらわれたり消えたりします。
視覚と感覚
かすみ目や二重に見えること、ちくちく感、しびれ、痛みなど。
予測できなさ
症状は日によって変わるため、予定を変更せざるをえないこともあります。
ちょっとした実際的な配慮が、大きな違いを生みます。
職場で
家庭で
ふたりで