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MSを知る

多発性硬化症が日常生活や仕事の場面で何を意味するのかを、MSとともに生きる人を支える周りの方に向けて、わかりやすく穏やかにまとめたガイドです。

イメージでとらえる4つの見方

MSは医学用語よりも、身近なイメージのほうが理解しやすいものです。

傷ついた電線

神経は電気ケーブルのように働いていて、その一本一本がミエリンという絶縁層で包まれています。MSではこの絶縁がダメージを受けます。信号は伝わろうとしますが、遅くなったり、散らばったり、弱まったりします。だからこそ、見た目は元気そうでも、脳が求める動作がうまくできないことがあるのです。

早く減っていくバッテリー

MSのある多くの人は、少ないエネルギーで一日を始め、ふつうの作業にもより多くの力を使います。シャワーや通勤、長い会議だけで、午後の分の蓄えを使い切ってしまうこともあります。これは怠けでも、やる気のなさでもありません。ただバッテリーが小さく、早く空になるだけなのです。

見えない氷山

あなたに見えているもの(「まったく元気そう」に見える姿)は、ほんの一角にすぎません。水面の下には、疲労、痛み、しびれ、かすんだ視界、頭のもやがあります。これらは目に見えないため、軽く見られがちです。その存在を信じてあげることは、あなたにできる最も支えになることのひとつです。

移り変わる天気

MSはじっとしていません。症状は日によって、ときには時間ごとにも変わります。暑さやストレス、疲れがきっかけになることもあれば、はっきりした理由がないこともあります。調子のよい日があっても治ったわけではなく、つらい日があっても悪化しているとは限りません。それは天気であって、気候ではないのです。

日々の暮らしで意味すること

症状の組み合わせは人によって違い、時間とともに変わっていきます。よくみられるものには次のようなものがあります。

  • 疲労

    休んでも必ずしも取れない、体が沈み込むような重い疲れ。

  • 暑さへの敏感さ

    暖かい気候や熱いシャワー、発熱で、一時的に症状が悪くなることがあります。

  • 頭のもや

    集中したり、言葉が出てきたり、物事を覚えたりするのが難しくなること。

  • 動きとバランス

    脱力やこわばり、ふらつきが、あらわれたり消えたりします。

  • 視覚と感覚

    かすみ目や二重に見えること、ちくちく感、しびれ、痛みなど。

  • 予測できなさ

    症状は日によって変わるため、予定を変更せざるをえないこともあります。

あなたの立場に応じて、役立つこと

ちょっとした実際的な配慮が、大きな違いを生みます。

雇用主・同僚の方へ

職場で

  • 柔軟さを提供しましょう。フレックスタイムや在宅勤務の日、静かに過ごせる場所は、思う以上に助けになります。
  • 休息と見通しの立つスケジュールを認めましょう。急な変更や休憩のない長時間労働は大きな負担になります。
  • 机に向かった時間や見た目ではなく、成果で評価しましょう。
  • 何が役立つかを尋ね、その内容は他言しないでください。小さな調整が、大切な人材をつなぎとめます。

ご家族へ

家庭で

  • まったく元気そうに見える日でも、目に見えない症状の存在を信じてあげてください。
  • エネルギーに合わせて計画を。休息を組み込み、一日に予定を詰め込みすぎないようにしましょう。
  • 手を差し伸べつつ、その人の自立と選択を尊重しましょう。
  • 予定のキャンセルは、思いやりの欠如ではなくMSのせいなのです。

パートナーの方へ

ふたりで

  • 調子のよい日もつらい日も率直に話し合い、一緒に計画を立てましょう。
  • 主導権を奪うのではなく、通院や決断に伴う心の負担を分かち合いましょう。
  • まずはパートナーであり続けて。関係のすべてが介護になってしまわないように。
  • 自分自身も大切に。あなたが余力を残しているほど、支えは長く続きます。

もっと知る

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